お元気ですか。2人の女の子を育てるワーママのさなです。
サラリーマンの方は、振り込まれた給料を見て、昇給してるのに「あまり増えてない」と感じることはありませんか?

私の仕事は総務事務で、社員の給料計算や社会保険の手続きを主にやっています。
私が操作をしてる訳ではないのですが、
「残業押さえられてるからか、給料が上がらんね」
「給料が増えんちゃけど、給料の計算方法変わった?」
などと言われます。
そうではないんです。残業時間はそんなに変わってないし、給与計算方法も変わってません。
変わっているのは、税金額なんですよ。
どのように税金額が変わって、給料の手取り額に影響しているかご説明します。
給料の手取り額が増えないと感じる理由
給料の仕組み
給料は、総支給額から控除額を引いた金額が差し引き支給額として私たちの手元に入ってきます。
手取給与額=総支給額ー控除額
総支給額とは
基本給と全ての手当(扶養手当・時間外手当・休日出勤手当・通勤手当など)の事です。
手当ての金額は、会社の就業規則や給与規則によって決まっています。
控除額とは
下記の税金が控除額として計算されます。
(一般的な日本年金機構及び全国健康保険協会の被保険者で一般の事業所としてご説明します。)
●社会保険料
4月~6月の給料額(総支給額)で、当年9月~翌年8月までの社会保険料を計算する基となる金額(標準報酬月額)が決まります。
●雇用保険料
料率は、3/1000です。
保険料率は毎年4月分から変更になります。2018年度も3/1000でしたので、2019年度は雇用保険料据え置きということになります。
●所得税
配偶者やお子さんなど扶養している人数によって変わります。
●住民税
前年1月~12月の給料額で、当年6月~翌年5月までの住民税が決まります。
給料を計算してみよう
≪設定≫
福岡県在住の40歳サラリーマン
配偶者扶養してない
子供は小学生2人
2019年度に10,000円昇給したとして、ざっくり給与計算します。
2018年度 | 2019年度 | |
基本給(総支給額) | 200,000 | 210,000 |
健康保険料 | 10,230 | 11,264 |
介護保険料 | 1,570 | 1,903 |
厚生年金保険料 | 18,300 | 20,130 |
雇用保険料 | 600 | 630 |
所得税 | 3,700 | 3,900 |
住民税 | 9,000 | 9,800 |
控除合計 | 43,400 | 47,627 |
手取額 | 156,600 | 162,373 |
これが給料計算の結果です。
10,000円昇給したのに、2019年度は2018年度より控除合計も高くなり、手取り額は5,773円しか増えていません。
手取り額が増えないと感じる理由のまとめ
給料から控除する税金は、基本給に税率をかけて税額を計算します。基本給が昇給して高くなると控除される税金も高くなります。
保険料率が前年より高くなっていれば、更に控除額は増えます。
したがって、昇給が10,000円だったとしても、税金を引いた手取り額は10,000円の約6割弱しか増えていないという事になります。
この税金の仕組みにより、昇給したのに思ったほど手取りが増えてないと感じるのです。
加えて、高齢化社会がこれからどんどん進んでお年寄りが多くなると医療費が増え、毎年見直されている保険料率も上がっていく可能性があります。
せっかく昇給したんだから、手取り額ももっと増えててほしいですよね。
だったら、節税対策をしましょう。
社会保険料は、3月~5月の残業や休日出勤を控えて時間外手当を減らすことで、標準報酬月額が上がらずに済み、社会保険料額が高くなるのを抑える事ができます。ただ、これは仕事の都合に依るので難しいかもしれませんので、できる範囲で抑えていきましょう。
所得税と住民税だったら、iDeCoやふるさと納税、医療費控除などで節税することができます。
貰える給料も払わなければいけない税金も決まっているので、節税対策をして手取り額を増やしましょう。